
1. ヴェッキオ橋
ヴェッキオ橋は単なる橋以上の存在です。洪水、戦争、そして7世紀の時の流れに耐え抜いた建築の奇跡です。1345年にタッデオ・ガッディによって建設されたこの中世の石橋は、西洋世界で最初に建設されたセグメンタルアーチ橋として、工学の勝利を象徴しています。3つの優美なスパン(30メートルのメインアーチと両側の27メートルのサイドアーチ)が、フィレンツェの波乱に満ちた歴史のあらゆる場面で、市民をアルノ川の対岸へと運んできました。
この橋を真に独特なものにしているのは、その存続の物語と変遷です。第二次世界大戦中、撤退するドイツ軍がフィレンツェの他のすべての橋を破壊したとき、ヒトラーは個人的にヴェッキオ橋の保存を命じました。その代替不可能な歴史的価値を認めたのです。水面に突き出すカラフルな店舗は、常に宝飾店専用だったわけではありません。1565年まで、メディチ家の大公フェルディナンド1世が、川を汚染していた肉屋に代わり、金細工師と宝石商のみが出店できると定めたのです。
今日、この橋は重要な通路であると同時に、イタリアの職人技の輝かしいショーケースとして機能しています。店舗の上には、メディチ家が宮殿と政府機関の間を一般市民と接することなく移動できるようにした秘密の高架通路、ヴァザーリの回廊が走っています。夕暮れ時、宝飾店のショーウィンドウから反射し、下のアルノ川にきらめく橋の黄金の輝きは、フィレンツェで最も写真に撮られ、最もロマンチックな光景の一つを生み出しています。