1. Basílica de San Isidoro
厚いロマネスク様式の壁が、近代的な街並みからこの建物を守っている。そこにはスペインで価値があると言われる中世の絵画が隠されている。「ロマネスクのシスティーナ礼拝堂」と大げさに呼ばれることもある王立パンテオンだが、実際はもっとこぢんまりとしていて、どこか落ち着く場所だ。12世紀の鮮やかなフレスコ画で埋め尽くされた低い天井には、農作業の暦や聖書の場面が描かれている。800年以上経っているとは思えないほど保存状態が良く、赤やオークルの色彩は、まるで昨日描かれたかのように鮮明だ。
色彩豊かな円蓋の先にある教会内は、サン・イシドロの墓が置かれ、重厚な静寂に包まれている。すぐ近くにある高くそびえるゴシック様式の大聖堂よりも、古く、生々しい感覚を覚えるだろう。美術館にはドニャ・ウラカの杯が収められており、地元の伝承ではこれが「聖杯」ではないかとも囁かれている。真偽はともかく、メノウと金で作られたその器の細工は、近くで見ると圧倒されるものがある。
レオンの多くの見どころが垂直方向のスケール感を競う中で、ここは手が届きそうなほど近い天井を見上げる場所だ。パンテオンの見学はガイド付きツアーのみで、夏の混雑時には予約が取りにくい。スペイン語のツアーに比べて英語のツアーは回数が少ないので、昼食を食べる前に枠を確保しておいたほうがいい。